食の考察 その６

TVのドキュメンタリーで、
エスキモーの生活を紹介する番組を何度か見たことがある。
印象的なのは猟のシーンだ。
撃たれたアザラシはナイフ一本で皮を剥ぎ取られ、
解体されブロックになる。
ナイフを巧みに操るエスキモーは、
更に肉片を一枚切り取り自らの口に直接運ぶ。

そういうシーンを見ると決まって私は、

「エスキモーになりてぇー!!
　アザラシ、食いてぇー!!」

と叫ぶ。
あのナイフで口に運ばれる生肉が、
何とも美味しそうに見えて仕方がないのだ。



シチュエーションに少しばかり無理があるが、
この度エスキモーの生活の一端を垣間見るチャンスが巡ってきた。

すなわち「トドの大和煮」である。

(北海道産だがな。
　しかもコテコテの和食、大和煮だがな)

私と棟梁の前には、
トド肉の盛られた小皿が並べられている。
これを食べれば、
私も棟梁もりっぱなエスキモーになれるのだ。

「いただきましょう」






「・・・」








エスキモー、なりたくない。


●「トドの大和煮」

◇話題性★★★★
◇味　　★