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真っ暗な海に向かって私は一人、ひたすら竿を振っている。
見上げれば雲の合間に星がいくつか見えるが、
竿先に見えるのは遥か沖に揺れる小さな漁火が二つと、
目の前に砕ける波頭が朧に見えるばかりで他は闇の中だ。
見るともなく沖を睨んでリールを巻いていると、
視界の端、私の足許からわずかに離れた辺りを何かがよぎった。
「何?」と視線を落とすと、
引く波の中で小さな青白い光の粒があっという間にさらわれて行った。
初めて見たときは青白く光る真珠のようにも思えたのだが、
考えてみれば真珠がそれ自体発光するということもないだろう。
ある時、引く波に乗り切れず、
波打ち際にポツンと取り残された青白い光の粒を発見。
しばらくすると青白い光がスーッと引くように消えていくのだが、
次の波が微かに触れるとまた発光する。
そのうちに少し大きな波が寄せて足許を洗って行く時、
青白い光の粒も流されて行った。
青白いボーとした微かな光の正体は「ウミホタル」。
星のように煌く光とは全く異質のもので、
どこかしら温かくて優しく感じられる幻想的な光だ。
暗闇の中、
暴れる波の轟音への畏怖と冷たい風の中の孤独がほんの少し癒される。
(悲しいかな私のカメラでは撮影できない・・・涙)
※「ウミホタル」
体長3~3.5mmほどの米粒状のミジンコのような体型。
大きく分けるとエビやカニの仲間になる甲殻類。
夜行性で日中は海底の砂の中に潜むが、
夜間、捕食・交配のため海中を遊泳する。
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