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「ヤリイカ」 【 軟体動物門頭足綱ツツイカ目閉眼亜目ヤリイカ科 】
山陰の夏の風物詩のひとつにイカ釣り船の漁火がある。
夜の海の遥か沖合いに漁火が並ぶ様はとても美しく、
これを見た人の心に深く残る印象的な風景だ。
さて今回の「食の考察」は「ヤリイカ」。
上述の影響もあるのか「イカ」というと夏をイメージしそうだが、
実は通年それぞれの季節にいろいろな種類を楽しめるのがイカなのである。
例えば一年という寿命の中で春から初夏にかけて産卵する「ヤリイカ」は、
夏から秋にかけて「小ヤリイカ」がまず店頭に並ぶ。
そして晩春に向け徐々に大きくなり高価な刺身用イカへと成長・・・
というように「ヤリイカ」の旬は夏を外した季節と言っても過言ではない。
鮮度の良いイカは刺身が良い。
これは周知の事実で私も異論のあろうはずもないのだが、
しかしこれが「小ヤリイカ」になると話は少々変わってくる。
あくまでもこれは単なる私の個人的な好みの問題で、
口角泡を飛ばし声を大にして主張するほどのもではない。
それは良くわかっている。
わかっているがそれでもちょっとだけ言いたいのだ。
「小ヤリ」は煮て欲しい。
あの柔らか過ぎず硬過ぎずという程よい食感。
イカとしての旨みも出しゃばるでなくかと言って控え過ぎずそこに確かに存在し、
イカの旨みと醤油が出会った煮汁のまた絶妙な味わい。
これは旨い。
何とも「食の考察」らしくない極々普通の惣菜だが、
それでも私は言いたいのだ。
やっぱり「小ヤリ」は煮て欲しい。
「小ヤリイカの煮付け」
◇話題性・・・★☆
◇ 味 ・・・★★★★
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