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なんちゃって太公望「duo」の雑記
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「酔いどれの誇り」 ジェイムズ・クラムリー著

初めて読んだ”ハードボイルド”は、
学生時代、友人に勧められた「さらば甘き口づけ」 ジェイムズ・クラムリー著。
物語の中から醸し出される独特の雰囲気にすっかりはまってしまい、
続けて購入したのが上の写真「酔いどれの誇り」 同著者。

久しぶりに読み返してみると、
途中「」で括った場面が出てきた。
もとより私が括ったのに間違いないだろう。
すなわち以下は本文より。

「酒飲みは誰もが、自己流の理屈を持っている。
口にだそうとだすまいと、酒を飲む事を正当化するための果てしない退屈な理屈だ。
酒飲みが酒を飲むのは、忘れるためか、あるいは忘れずにいるためだ・・・以下略」

当時の私は、一体この文のどこに、何を感じたのだろう。
この文から何を学ぼうとしてここを括ったのだろう・・・
当時を振り返ってみると面映くどこか落ち着かないのだが、
少しだけ寂しいのは、
今ではこの文に心が震えないということだ。


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この本が読みたい。
久しぶりの衝動だった。
と言っても、
そう思って書棚から引っ張り出してきたのは・・・
確か7月20日前後だったろうか?
仕事だの雑用だのが山のように私の目の前に溜まっていて、
しかもこの夏の暑さにページが一向に進まなかったのだ。

「恋文」 連城三紀彦著 は50ページほどの短編で、
表題作の後にやはり短編が4作品続く短編集だ。
というわけでまずは「恋文」。

・・・?

書き出しから2~3行進んだところで違和感が生れた。
これは何故か私が記憶する書き出しとは違うような気がする・・・。
私が記憶する書き出しは、
新宿のヤクザが出てくるところから始まるはずなのだ。

・・・何で?

冷静に考えてみた。
「恋文」・・・「恋文」って「恋文」だよな。
つまりラブレターだ。
「!」
そうかっ!!!!!!

私が読みたかったのは「恋文」ではなく「ラブレター」だ。
連城三紀彦ではなく浅田次郎だ。

だが読み始めた「恋文」、
せっかくだからと読み進んで行くうちにすっかり気持ち良くなってしまった。
恋する心の真摯な姿、
また愚直な恋心故の滑稽さや悲しさ、
そしてその後に残る温かな感動。
よくぞ間違えたものだ。
浸る余韻は少しばかり暑い夏を忘れさせてくれた。

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良し悪しではない。
私にひたすらページをめくらせるのは、
ただただ懐かしさに他ならない。

当時、私は高校1年生。
友人と3人で四国旅行に行ったときの事。
みんな「前略おふくろ様」にはまっていて、
電車の中だろうが、
旅館に入ってからだろうが、
出てくる言葉は「アヤァ」。
何かあると「アヤァ」。
ちょっと変わって「アイヤァ」。

あの時、
ちゃんとした会話はあったのだろうか。
全く記憶にないのだ。

ネットで書籍を購入しようとすると必ず目にするサイト、
「amazon.co.jp」。
私も何度か利用したことがあるが、
以下のようなシステムは知らなかった。

「ユーズド商品を見る」。

つまりamazonが古本をネットで売っているのだ。

「青魚下魚安魚讃歌」という最近探している本を検索してみると・・・
本の程度によって幾冊か出て来た。
早速開いてみると・・・安ッ!!!

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60円。
もちろん送料は別だ。
それにしても60円。
うまい棒が6本・・・
「買い」だ。

著者は「秘伝」という小説をここで紹介した高橋治氏。
根っからの魚好きの著者が快刀乱麻の如く書き綴って、
要は「高級魚など食わずに、鰯(イワシ)を食え!」という話だ。
(氏は本著のなかで「食う」という言葉を一貫して使っている)

まあ、快刀乱麻だから痛快な部分もなくはない。
しかし、「おいおい、それは言い過ぎだろう」という部分もなくはない。
もっと言えば、総じて、
「おいおい、それはあんたの勝手な思い込みに過ぎんぞ」で片付くような気もする。

だが、良いのだ。
60円だもん。
送料は別だけど。

先日来読んできた今風のものではなく、
もうちょっと硬質の小説が読みたくなった。
そうなると書店には行かない。
my書棚で見繕えば良いのだ。

1冊目は柴田翔の「贈る言葉」。
う~むムムム、文学チック!
そうだよな、
文学ってこういう切り口でくるんだよな!
はは、何か、懐かしい・・・
けど硬い。
そしてシワイ。(←これ標準語で、どう表現するんだろう?)

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2冊目は庄司薫の「赤頭巾ちゃん気をつけて」。
これは良かった!!!
実に面白い。
久しぶりに乾いていた心に、
良質の白ワインが満ちている感じだ。
何気なしに奥付けを見てみると、
昭和44年8月10日 初版    昭和47年8月21日 41版 とある。
今ほど本離れをしていない時代の中でもベストセラーと言えるだろう。
時代的な背景を考えると、
これはもう「現象」と言って良いのかもしれない。

面白かったのは奥付けの定価。
何と360円とある。
単行本が360円は今の文庫本よりも安い。
およそ今の5分の1ほどか・・・
さらに奥付けをめくった次の頁の右上。
鉛筆で手書きの下手な文字は¥200と書いてある。
そう、
これは私が学生時代に古本屋で買ったものだ。
当時は金があると古本屋に行き、
カバンに入るだけ古本を買い求め、
酒を飲みながら本を読んで過ごすという有様だったのだ。

ところでこの「赤頭巾ちゃん」、
前の持ち主の仕業だろう。
いたる所に書き込みがある。
波線が~~~とあって、
~の出だしに◎が付いているところもあって、
『 』やら「 」で色々なところが括ってあって、
感想のような注釈のような諸々が書き込んであって・・・
なかなかに賑やかだ。
だが所々、
「えっ、線を引く場所はそこじゃないだろ!?
 こっちの方がより重要だろ!?」というのがあって、
これまたなかなかに気を揉むのである。
「・・・まあ、いいか、人それぞれだ。
 きっと彼はそこに感動したのだろう」などと考え「赤頭巾ちゃん」、
こういうおまけ的な面白さもあったのだ。

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「一瞬の風邪になれ」 佐藤多佳子著

「これならどうだ! 面白いだろッ!?」
とばかりに私が私のために購入した本。
これは’07の「本屋大賞」・・・かな?
確かに面白い。
というか、かなり面白い。

だけど・・・
そう、「だけど・・・」だ。
私の求める本はこいう本ではない。
これはここのところ読んだ本、全てに付いて来る感想だ。
正直に言うと読み終えて残るのは、
「面白かった」と同時に出版業界に対する「不信感」。
「東京タワー」然り、
「バッテリー」然り・・・

活字離れ著しい世代には、
瞬間的に有効な策かもしれない。
書店の客単も一時的にアップするかもしれない。
しかし長い目で見たとき、
自分の首を絞めるようなことをしてないか?
自分の良心に対して「恥ずべきことは何もない!」と胸を張って言えるか?

私の見方が穿ちすぎなのかもしれない。
杞憂であれば・・・と思う。
しかし、ちょいと心配なのだよ。

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「鹿男あをによし」・「鴨川ホルモー」いずれも万城目学著

もしもこんな言葉があるとするならば・・・
私という読者は、
「万城目学対象年齢」をいささかオーバーしているような気もするが、
読後感は難しく考えることなくさらっと答えられる。
「これは面白い!」
それはまるで現代の大人向けお伽話のようで、
小説の王道を行く爽快感すら感じる。



「ホルモオオオオオオオオ――ツツ

しばらくつぶやきそうだ。

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5月28日に読み始め同30日読破。
久しぶりにトイレ以外でも時間をかけて読んだ本。
ど真ん中のストレート真っ向勝負。
良くも悪くも、
この潔さがあればこその「東京タワー」なのだろう。
ほとんどドキュメンタリーのようだが・・・

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