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「世界の三大珍味」と言えば「キャビア」「トリュフ」「フォアグラ」だが、
我国にも「日本の三大珍味」というのがあるのをご存知だろうか?
一つはこの「食の考察」でも取り上げた「カラスミ」(ボラの卵巣の塩漬け)。
そして「ウニ」(塩うに)と「このわた」(なまこの腸の塩辛)、
この三品をして「日本の三大珍味」という。
・・・と、何だか大上段に振りかざした今回の「食の考察」。
いつもはどちらかと言えば奇をてらった変りモノに注目しがちだが、
やはり食の冒険者たるもの王道を行く正統派の珍味を避けて通る訳にはいかない。
というわけで今回は「日本の三大珍味」の一つ、「このわた」。
実は探してみると結構安いものがあったから・・・(^^; ソンダケェー!
上述の通り「なまこ」の腸の塩辛を「このわた」というのだが、
これが製品として出来上がるまでの工程を考えると気が遠くなりそうだ。
何しろ牛乳瓶1本(約180g)の「このわた」を作るには20kgの「なまこ」が必要で、
それらから取り出した腸を1本1本手作業できれいに洗うのだ。
海底の有機物を泥や砂と共に食べるなまこの腸にはしっかりと砂が詰っており、
1本1本指で丁寧にしごき出す他には有効な手段はなさそう。
爪を立てて乱暴に扱おうものなら途中でプツンと千切れてしまう。
これは「なまこ」を自分で獲る人ならば皆知っているだろう。
季節はちょうど今頃。
風のない凪の日に近場の小さな漁港の岸壁や船着場の海底等々、
丹念に探してみれば2匹や3匹の「なまこ」を獲ることができる。
これを持ち帰って自分で捌くのだが、
この時いつも腸の砂をしごき出して「ツルツル~~」と食べて・・・
・・・
あれれっ!
今回「食の考察」用にと取り寄せた「このわた」、
こんなものが「日本の三大珍味」として珍重されるのか?
海から持ち帰って自分で捌いた「なまこ」の腸はもっと香りが爽やかで、
冬の海に春の訪れを真っ先に感じさせてくれるものだ。
それに比べるとこれは・・・(悲)
教訓。
作り置きした大さじ一杯の「このわた」よりも、
耳掻き一杯に満たなくとも獲れたての方が価千金!
●「このわた」
◇話題性・・・★★☆
◇ 味 ・・・★★
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