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直接的に音楽の話ではないが、
カテゴライズするならこれはどうしても「music」だ。
何をのっけからと思われるだろうが、
私は断固として「music」で行きたい。
どういうことかというと、
つまりこの話はこういうことだ・・・
先日ある公共施設を利用したときのこと。
駐車場の片隅に車を停め歩いて入り口に向かう私は、
通路の反対側から歩いてくる女性に気が付いた。
狭い通路、
片側に寄り通り過ぎようとする私。
ところがその女性、
すれ違いざま私に声をかけてきた。
「こんにちは、duoさん!」
「あっ、どうもどうも・・・(誰?)」
私の反応に気付いた女性は、
先回りしてこう言葉を続けた。
「先日の◇◇◇でのライヴ、聞かせていただきました」
(ライヴの模様はこちらをどうぞ ↓
http://www.geocities.jp/duoneemu/party11.html )
「あっ、それはどうもどうも・・・」
「また素敵な歌を聞かせてください」
「あっ、どうもどうも・・・」
何と!
ライヴに来ていた女性に声をかけられた。
ニマニマだ。
これはどういうわけかニマニマだ。
私は締まりのない顔で、
「サインの練習をせんといかんなぁ」
などと考えていた。
お上さん 「大丈夫。案ずるより産むが難し(がたし)っていうじゃん♪」
私 「・・・」
言わねーよ、そんなんッ !!!!!!
鳥取駅前のタクシー乗り場の横に車を止めた。
1泊2日の京都旅行に行っていたお上さんを拾うためだ。
車の中からコンコース前の人通りを眺めていると、
慣れた仕草で路上ライヴの準備を始める2人が現れた。
人目をきにする風もない2人は、
時々言葉を交わしたりギターのチューニングをしたり・・・
いたって自然体だ。
「あー、ああいうの、懐かしいなあ!」
私がまだまだ若かった頃の記憶がよみがえる。
何を隠そう、
私もああいうのをやっていたのだ。
もう20数年前。
場所は渋谷、ハチ公前。
それはいつも週末の夜、
友達2~3人で大熱唱。
気付くと50~100人ほどが一緒になって大声で歌っていた。
ある時は、
「応援歌を歌わせろ!」という某私立大学の応援団との一触即発のやりとり。
ある時は、
「ここでライヴをするな!」という警察とのいざこざ。
またある時は、
フリーのライターとの話し合い。
何だかあの時の緊張と充実感までよみがえったようで、
肌がザワザワっとした。
John Butler Trio-Ocean というギタリストのライヴの映像が届いた。
初めて聞く名前でどういうスタイルなのかもわからない。
しかし、
聞き始めてすぐに私がフリーズしてしまった。
私の目と耳が、
そこから離れられなくなってしまったのだ。
スポット的な映像なので、
楽曲については何とも言いようが無い。
なのに見るもの、聞くものを凍てつかせてしまうのは、
その弾き方のせいだろうか。
アコースティックギターを弾くものなら、
誰しも思いつく弾き方だと思う。
だが思いついた途端、
「こんなことは誰にもできるわけがない!」とすぐさま理解してしまう弾き方、
その弾き方を目の当たりにして圧倒されてしまうのかもしれない。
このライヴの映像を見て、
私は感動するとともに悲しくなってしまった。
それは、
このギタースタイルを確立するために費やした時間の、
その重さは如何ばかりかと思ったからだ。
多感な青春時代、
ほとんどの時間ギターを抱いて過ごしたであろうことは想像に難くない。
ひょっとすると、
見返りさえ心にはなかったかもしれない。
その尊いひたむきさは、
高校野球だけの専売特許ではない。
きっかけが無いわけではないが、
何かに駆り立てられるようにではなく、
決して燃え上がるような気持ちでもなく、
静かに、
緩やかにギターの練習を再開した。
昨日、今日と1時間ずつほどか・・・
今までも少しずつギターに触れてはいたのだが、
あまり役に立っていなかったようだ。
人さし指、中指、薬指の指先が物凄く痛む。
それでもこの痛みを克服しないと練習にならないので、
「ガァーッ !!!!」っと雄叫びを上げながら、
「ウウウウーッ !!!」っと悶えながら練習を続けている。
この痛みに悩まされることがなくなった頃、
私の指先は硬く硬く生まれ変わっている。
20歳代の頃、
寝ても覚めてもギターを弾いていた頃のことだ。
私の指先はある意味凶器と化していた。
今までの最高記録は、
積み上げた瓦3枚を中指1本で割ったことがある。
嘘だ。
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