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日曜日の「安平」は、
大きな驚きと更にそれを上回る満足を与えてくれた。
「大将、まいりました。
もう、ほんと、帰ります。
おあいそお願いします」
「ハイよ、おあいそね!」
お上さんを促し立ち上がろうとするその刹那、
「ところでduoさん、これ何かわかる?」
大将が小鉢を差し出しながら聞いてきた。
これはおあいその計算ができるまでのつなぎだ。
気軽に受け取り小鉢の中を覗き見た。
ふむ、白子には違いなさそうだが、
さて、何の白子か・・・
まさか大将の白子ってことは・・・
そんなことは言わねえがな。
絹のように純白の、
いかにも爽やかさが伝わって来るような白子だ。
この時期、
しかも今日の安平のお品書きに関係ある食材・・・
だが思い当たるものがない。
「いや、わかりません」
と、大将に小鉢を返そうとすると、
「いいよいいよ、食べてみて」
「えっ、いいんですか?」
つなぎじゃなかった!
酒飲みの「帰る」ほど当てにならないものはない。
意志など有って無きが如し。
あえなく崩壊してしまうのだ。
というわけで浮きかけた腰が、
再び静かに着地した。
ひと口食べてみる。
ムムム。
何と清楚ではかない味わい。
微かに上品な香りがあるが、
極めて控えめに漂い、
もみじおろしとポン酢と白子の見事な調和だ。
トラフグの白子は中国古代四大美女の一人「西施」の乳房だという。
この白子は例えるなら、
若かりし頃の松原智恵子の・・・(失礼)
それにしてもこれは良い。
キレの良い日本酒との相性は抜群に良さそうだ。
だが何の白子だろう。
食べてみてなお思い当たるものがない。
「大将、わかりません」
白旗を揚げた私に、
大将がいくぶん得意げに答えた。
「それな、蛸(タコ)の白子やねん」
● 「蛸の白子の刺身」
◇味 ★★★★
◇話題性★★★★★
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