忍者ブログ
なんちゃって太公望「duo」の雑記
[94]  [93]  [92]  [91]  [90]  [89]  [88]  [87]  [86]  [85]  [84
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

のどかな漁港を見下ろす座敷で遅めの昼食をとった。
人心地ついてお勘定を済ませ、
「ごちそうさま」
「ありがとうございました。どうぞまたお越しくださいませ」
の声を背に表に出る。

 

 

070213.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「おっ」

店に入るときは駐車場の片隅にあったカレイの干物の棚。
出るときは入り口正面の日陰になる場所に移動している。
なるほど。
陽射しを読んで引越したか。

これも魚を美味しくするための工夫だ。


というわけで今回の「食の考察」は、
「魚の旨み」についてのお話し。 



 


美味い魚を食べるなら・・・

これは一言ではなかなか言い表せない。
そりゃそうだ。
あまりに多くのファクターがあるのだ。
鮮度はもちろんのこと、
季節もあれば産地によっても違う。
固体の成長の度合いもあるし、
食べる側の諸事情によってもいろいろと変ってくるかもしれない。
それこそ考えたらキリがない。

では、どういう切り口で・・・

まず「魚の旨み」とは何ぞや。

これは化学的にいうとIMP(イノシン酸)という旨み成分だ。
だがこのIMP(イノシン酸)、
もともと魚の中にはない。
どういうことかというと、
魚の身体の中にあるATP(アデノシンⅢリン酸)という成分が変化をしたものがIMPなのだ。
詳しく言うとこれは次の段階でADP(アデノシンⅡリン酸)になり、
更にAMP(アデノシンⅠリン酸)を経て最終的に旨み成分のIMP(イノシン酸)になる。
つまり、ATP(アデノシンⅢリン酸)という成分が多いほど旨みが増すということだ。

ただこのATP、
厄介なことに、
魚がストレスを感じると体内で消費してしまい減少してしまう。
だから大きなストレスを感じた魚は、
旨み成分のIMPのもとになる成分が少ないということになる。

では、ストレスの少ない魚とは?

これは釣り上げられた魚だ。
そして最小限のストレスで瞬時に活き〆される魚だ。
網の中で逃げ場を失い、
闘争本能をむき出しに暴れた魚はストレスの固まりなのだ。
一方、釣り上げられその場で活き〆にされた魚は、
大量のIMP(イノシン酸)を生成するべく熟成するのだ。

大分県佐賀関町沖合の豊後水道で一本釣りされたマアジやサバは、
「関アジ」、「関サバ」というブランド名で市場に出る。
市場では下手な真鯛よりも高値で取引される。
また、瀬戸内海は鳴門の真鯛。
これも他の追随を許さない一流のブランドだ。
それはこれらの魚が、
「潮の流れが速くエサが豊富な海に育つから身が締まって美味い」
というだけではない。

「関アジ」「関サバ」はどれも釣られた魚だ。
一網打尽にされた大群の中の1匹ではなく、
1匹1匹釣られた魚なのだ。

加えて鳴門の真鯛の場合、
熟練の漁師ならではの活き〆をされた鯛は貴重だ。
それは、
鯛の背骨の神経抜きという活き〆の方法なのだが、
この活き〆をされた鯛は鮮度の持ちが抜群に良く、
旨み成分も多い。

まあ、ここまでくればおいそれと口にする事も叶うまいが、
折に触れ考えるのも良いだろう。
スーパーの魚、
釣ってきた魚、
頂き物のお裾分けの魚・・・
それぞれ味が違うはずなのだ。

私も、

どこかで神経抜きを施された鯛に出会うことがあれば、

姿勢を正して頂くことにしよう。



PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
プロフィール
HN:
duo
HP:
性別:
男性
最新CM
[08/26 duo]
[08/26 おぢぃ.com]
[08/08 duo]
[08/07 おぢぃ.com]
[07/14 duo]
[07/13 おぢぃ.com]
[07/03 duo]
[07/02 おぢぃ.com]
フリーエリア
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]