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●「マイワシ」【ニシン目 ニシン科 マイワシ属】
しっかりと脂が乗っているというわけではない。
だが私には刺身で食べるならこのくらいの脂の乗り具合が丁度いい。
あっさりしているがマイワシの持ち味と香りが程よくて酒がすこぶる美味いのだ。
「久しぶりのマイワシ、美味いねェ! だけど高かったんじゃないの?」
とお上さんに聞けば、
「そう、カレイよりも高いの!」と、いかに選択に迷ったかを力説する。
昭和50年代半ばのこと、
トラックが積荷のイワシを落として走り、
それを後続車が踏みつぶして道路が赤く染まるという公害を引き起こしていた。
いかに多量のイワシが水揚され、どれほど軽んじられていたかを象徴する公害だが、
この頃のイワシはkgあたり、驚く無かれ10円台で取引されていたという。
その後、昭和63年にマイワシの漁獲量は450万t という史上最高を記録するも、
現在では平成18年が5.2万t、前年17年に至っては2.8万t と最盛期の見る影もない。
平成18年5月25日の某新聞、
「築地魚市場で、マイワシのkg あたり単価は5,775円を付け、
1尾あたりでは1,155円で取引された」という記事があった。
今や「マイワシ」は庶民にとって高嶺の花なのだ。
鯛やヒラメと肩を並べる高級魚なのだ。
数十年から百数十年の間隔で豊漁期が訪れるという「マイワシ」漁。
最近の豊漁は平成8年が最後だったらしいので次の豊漁はいつのことか?
まさか昨夜の「マイワシ」、
私にとって最後の・・・なんてことはあるまいな。
●「マイワシ」
◇話題性・・・★★☆
◇ 味 ・・・★★★☆
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