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久しぶりに手間ひまを掛けて臨んだ「食の考察」。
先ずアク取りと掃除を兼ねて1時間近く茹で上げる。
冷めた頃を見計らって硬さを確認してみるとちょうど良い加減か。
早速輪切りにしてポン酢で食べてみる。
独特の歯ごたえが面白くはあるが、
強烈なインパクトがあるわけではない。
特有の香りがあるが食材を考えれば充分に許容範囲内だ。
続いて茹で上げたものをひと口大に切り分け塩胡椒をして網焼きに。
少し焦げ目が付いたところを皿に盛るのももどかしく、
ガスコンロの前で立ったまま食べてみる。
「ふむ、塩胡椒は合うが・・・」
焼いたからといって断然旨みが増すということもない。
ではどうするか?
これだけ調理してもまだ半分以上残っているのだ。
というわけで最後の手段。
食材にこれといった面白みが感じられないのなら、
調味料の味をしっかり染み込ませれば良いのだ。
考えたのは「佃煮」。
1cm角に切った食材に生姜を加え、
醤油・砂糖・清酒・みりんでコトコト、コトコトと煮詰めていく。
味をみながら調味料を足し煮汁が飛べはできあがり。
ひと口食べて・・・
「うん、これが一番良いかもね♪」
冒頭の「手間ひまを掛けて臨んだ」のは、
詰るところ「煮ても焼いても食えない奴」に手間取ったため。
それにしても食材の内側にポツンと腫れたような部分があったけど、
これってひょっとして「潰瘍」・・・? (^^;
●「マグロの胃袋」
◇話題性・・・★★★
◇ 味 ・・・★★☆
●「めふん」
オスの鮭の中骨に沿って付いている血腸(腎臓)を使って作る塩辛。
名称の語源はアイヌ語の「めふる」→「腎臓」から来ていると言われる。
ストレスを回復させる栄養素であるビタミンB12が豊富に含まれているため、
健康食品としても注目されているのだそうだ。
味。
これは味というより風味というべきだろうか。
トロッとした舌触りと口中に広がる香り、
この時点ですでに連想するのは、否、
この時点ですでに思いは日本酒に直結している。
時に珍しさばかりが先行して塩辛いだけの珍味に出会うことがあるが、
これは「酒を引き立てずにはいないだろうな・・・」と素直に思わせる。
やはり風味だろう。
この確かな風味が優しくしかし断固として酒を誘うのだ。
「鮭」と言えば「新巻鮭」とか「イクラ」というのが先ず思い浮かぶが、
実はこれほど多種多様な食べ方が確立された魚も少ないのではなかろうか。
例えば「ルイベ」、「鮭トバ」、「氷頭なます」等々。
これは恐らく厳寒の地で過酷な季節を乗り越えるために培われた知恵だろう。
雪に閉ざされた生活の中で限られた食材を最大限有効に、
しかも美味しく且つバリエーション豊かにと考えられ脈々と受け継がれてきたのだ。
これは正しく先人の経験と知恵が生み出した食の文化に他ならない。
余談だが「新巻」などの塩鮭は、
保存食として日持ちさせるための塩漬けだと考えられがちだ。
だから冷凍技術が発達した今、
減塩の鮭を冷凍保存すれば良いと考えるのは必然だろう。
しかし実は先人の知恵はもっともっと奥深い。
どういうことかと言うと、産卵を控え脂の乗りが悪くなった鮭を、
塩をふって熟成させることによってその旨みを増加させていたのだ。
「タンパク質がアミノ酸に分解して旨み成分が増加する」ことを、
長い長い試行錯誤の中で見つけたのだ。
●「めふんの醤油漬け」
◇話題性・・・★★★
◇ 味 ・・・★★★★
●「ヒメエゾボラ」【腹足綱前鰓亜綱真腹足目 エゾバイ科 エゾバイ属】
3日(日)の釣行から帰ると、
仙台から「つぶ貝」が届いていた。
10~13cmの殻入りが12~3個。
う~ん、どうやってやっつけちゃおうかなァ♪
ここ山陰では「つぶ貝」という商品名を目にすることはない。
だから「つぶ貝」という固有名詞なのだと思われかねないが、
実はこれは非常に多岐にわたる巻貝を差す俗称なのだ。
例えばその一部を挙げてみると、
・アヤボラ ・ヒモマキバイ ・シライトマキバイ ・スルガバイ ・エゾバイ
・エッチュウバイ ・ツバイ ・エゾボラ ・ネジボラ ・カラフトエゾボラ
・カガバイ ・クビレバイ etc etc ととにかく幅広く、
地域・流通段階・個人・・・と使い方も様々で、
定義も有るのかどうか判然としないほどだ。
さて、というわけで今回の「つぶ貝」はタイトルの通り「ヒメエゾボラ」。
「真つぶ」と呼ばれる「エゾボラ」に比べ評価は少々下がるのだそうだが、
調理法によっては非常に美味しい貝なのだという。
果たしてその味は・・・
身を取り出し「唾液腺」を取り除き、
4~5個分の少し多いかなという量を切り分ける。
そのうちの一部を刺身用に小皿に取り残りは醤油漬けに。
後の8~9個は殻ごと下茹でし、
身を取り出してこれまた唾液腺を取り除く。
これを殻に戻し醤油とみりんを垂らして網焼きにすれば・・・
お~っ、香ばしい香りが食欲をそそるぅ!!!!!!
もう、ごじゃごじゃと細かなことは言うまいぞっ。
野暮なことこの上ない。
一気に行くぞぉ――――――――――っ!!!!!!!!!!!
うりゃーっ!
●「ヒメエゾボラの刺身・醤油漬け・焼きつぶ」
◇話題性・・・★★★
◇ 味 ・・・★★★★
※「唾液腺」には「テトラミン」という神経毒が含まれる。
命にかかわることはないが、頭痛・モノが二重に見える等、
酒に酔ったような症状が出る。
症状が出てから2~3時間で治る。
非常に大型の魚として知られる。
過去に釣られたものとして270cm 300kgという記録がある。
日本では大鮃と書き「オオビラメ」と呼ばれることもあるが、
実は上記の通り「カレイ」の仲間だ。
日本の北洋からオホーツク海、大西洋、ベーリング海、北極海などの、
冷たい海の水深400mから2000m付近の大陸棚に生息するが、
日本では(少なくとも本州では)あまり馴染みがない。
(ただし米国等から輸入される冷凍食品の「白身魚の●●●」には、
本種が使われていることがあるらしいので皆、食べてるかもよ~)
アラスカではオヒョウ釣り大会「ハリバット・ダービー」なるものが開かれるが、
かつて釣り上げられたオヒョウが船中で暴れたために死傷者が出たほどの巨魚。
そのため大型のオヒョウが釣れた場合、
船に引き上げる前にショットガンで止め(とどめ)を刺すのだそうだ。
日本では考えられない豪快な釣り・・・というよりハンティングかな?
というわけで「オヒョウ」。
上の写真の切り身も「カレイ」として考えれば〝超〝が付くほど大型だが、
「オヒョウ」としてはまだまだ洟垂れ小僧だろう。
それでもこの一切れを切り分け調理すれば、
優に数人分の食材となる。
先ずは「オヒョウ」の味・香りをダイレクトに味わいたいので塩焼きにしてみる。
微かに特有の香りがあるが気になるほどではない。
味はいたって淡白。
決して不味い魚ではないがデリケートな味わいもない。
例えるなら〝魚っぽい鶏のささ身〝を食べているよう。
次にフライ。
これも概ね塩焼きと同じような食感。
何しろ肉厚の筋肉。
繊細な味を楽しむのなら調理法をもっと考えるべきなんだろうねェ。
それにしても海中にはこんな魚もいるんだなァ・・・と。
今回は「食の考察」以前に「釣ってみてェなあ・・・」、
私の思いは遥かアラスカの洋上を漂うばかりなのでした。
●「オヒョウの塩焼き&フライ」
◇話題性・・・★★★
◇ 味 ・・・★★★
※「オヒョウ」を英語で言うと「ハリバット」(halibut)。
「聖なるカレイ」〝haly-butta"に由来する言葉で、
祭日(holy day)に食されるカレイからきているのだそうだ。
生姜醤油かニンニク醤油で生食というのが定番なのだそうだ。
我が家ではニンニクを常備していないので先ずは生姜醤油で食べてみる。
凍ったままのものを薄くスライスし、
生姜と合わせて盛り付けて写真に収める。
これはどうも日本酒というより焼酎でやっつけたい。
お湯で割った麦焼酎をひと口すすり、
生姜醤油をつけて一切れ口に放り込む。
不思議な食感だ。
弾力を感じながらも明らかに口の中で溶けていくものがある。
香りは特に気にならないが、
クリーミーな中に素材の味わいと甘みが微かに感じられる・・・
というわけで今回の「食の考察」は実に久しぶりの肉系。
肉と言っても写真からもわかるように脂分をそのまま食べるので、
沢山は食べ辛いし、
何よりメタボリック症候群の恐怖も一緒に飲み込むという荒技なのだ。
さて、これは何だとお思いだろうか?
「タテガミ」。
文字通り馬の鬣(タテガミ)の辺りで取れる肉の一部だ。
そのままでも食べるが馬刺しに挟んで食べるといっそう味が引き立つのだそうだ。
ただ私としては「タテガミ」そのものの味を知りたいので、
この度はあえてそのままで食べてみることにした。
物凄~~~く美味しいと聞いていたのだが、
モノが脂分だけにこれは好みが大きく分かれるところだろう。
私には・・・・・・・・・・・・・・・・・・
全てを味の良し悪しだけで判断するという愚を犯さない。
これもまた「食の考察」の有るべき姿なのだ。
というか馬肉、しかも風になびくタテガミの部位を食した今、
もう以前のようなduoではあるまい。
望まれれば、しなやかに、あるいは優雅に、しかも美しく、
それはまるで草原を駆けるサラブレッドのように走って見せてあげよう。
かかって来なさい、カール・ルイス君。
●「タテガミの刺身」
◇話題性・・・★★★
◇ 味 ・・・★★
サワラの味噌漬けを作るとき味噌床を多めに作っておいた。
「Cook & Eat」にも書いた通り、(↓をどうぞ)
http://www.geocities.jp/duoneemu/recipe17.html
豆腐と卵黄の味噌漬けを作るためだ。
卵黄の味噌漬けは準備も手間も何もない。
ただ味噌床に漬けて翌日か翌々日にそのまま食べるだけ。
豆腐は一晩くらいしっかりと水切りをし、
半分くらいの大きさになったものをガーゼで包んで漬ける。
写真は漬けてから2日めのもの。
豆腐を先ずひと口。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・味噌味の豆腐だ。
塩気もよく効いている。
だけど何だろう。
食感といい鼻から抜ける香りといい、
どういうわけかチーズを感じさせる。
これはひょっとして・・・と、思いつくままに試してみる。
豆腐の上に小さく切った卵黄と柚子の皮を乗せ、
それを海苔で巻いて食べてみる。
「あれまあ・・・」
後はひたすら酒を飲むばかりです。
ええ、ええ。
日本酒のためにあるのですよ、こやつ。
●「豆腐の味噌漬け」「卵黄の味噌漬け」
◇話題性・・・★★★
◇ 味 ・・・★★★☆
食材の百尋(ひゃくひろ)とは?と訊けば、
「それは鯨の小腸だ」と大抵は返ってくるだろう。
サエズリ、畝須、百畳etcと同様、
鯨料理ファンならずとも「ピン!」と来る人は少なくないに違いない。
ところが上の写真。
これも「百尋」と呼ばれるものだが実はこれが鯨ではない。
では何の「百尋」なのか?
これは何と記念すべき第一回「食の考察」で取り上げた「マンボウ」の腸。
(この時は身とキモを食したけどイマイチで(^^;ガッカリ)
「マンボウ」というと、
ユラユラのんびりと海を漂う可愛い魚というイメージかもしれないが、
これが大きくなると体長3m、体重2t をゆうに越える巨魚になる。
何しろ大きな「マンボウ」を捌くときにクレーン車を使うことがあるほどだ。
つまりそれほどに大きな魚の腸だけに、
鯨の腸にも匹敵するほど長いということなのだろう。
* 尋(ヒロ):長さの単位。
両手を左右に伸ばしたときの両方の指先の距離。
六尺、約1.8m。
ところで「マンボウ」の百尋。
一つは塩焼きに、一つは味噌漬けにしたものを焼いてみたのだが、
これが身とは全くの別物で存外に面白く美味しい。
食感は硬めの魚肉とそれこそ牛ホルモンのミノを足して2で割ったようだ。
程よい弾力が楽しくて次から次とつい手が出る。
味は魚の旨みが上品に乗っているがクセと感じるものはなく、
塩味や味噌が素直に馴染んで酒の肴に申し分ない。
正しく”佳肴”というに相応しい逸品ではあるまいか。
それにしてもまだこういうモノが出てくる「食」の奥深さ。
これだから「食の考察」は面白い。
調べる楽しさ、知る楽しさ、食べる楽しさ、
一体いつまで続くんでしょうか?
●「マンボウの百尋」
◇話題性・・・★★★★
◇ 味 ・・・★★★★
12 | 2025/01 | 02 |
S | M | T | W | T | F | S |
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